東洋医学は病気を防ぐことに着目

医療機関では、これまでの西洋医学に東洋医学を取り入れるところが増えてきました。西洋医学が病気を治療するのに対して、東洋医学は身体の自然治癒力を高めて病気を予防することをメインにした方法です。中国を起源とする東洋医学の歴史は非常に古く、1300年前にはすでに日本に存在したと言われています。東洋医学と西洋医学は並行して行われることもあり、それにより予防と治療が同時にできるのです。東洋医学では生薬を使用した漢方、鍼灸などの施術があり、これらの施術には医学的根拠がないという医師がいますが、実際に症状が楽になる患者さんは少なくありません。医療の現場では手術や薬物療法による治療が思うような効果を発揮しない場合に、東洋医学を取り入れるケースがあります。

看護師の分野は主に西洋医学ですが、東洋医学にも精通していれば患者さんの健康づくりにより長く貢献できるでしょう。鍼灸は自然治癒力を高めて、病気になりにくい身体に変えることができます。東洋医学の得意分野は未病の解消であり、医療機関で検査を受けても異常箇所が見つからない、薬を服用して症状が解消したけど身体のだるさが抜けない、といった状況で効果を発揮します。健康と不健康の中間的な体調にあるとき、このままの生活が続けば病気に進行してしまうリスクが高いです。看護師が東洋医学の観点から患者さんにできることは、いかに体温を維持して冷えを抑えるかです。病気は冷えから生まれると言われますが、これは冷えが免疫力を低下させることに関係します。